夢への切符を手に、私は期待と不安で胸を膨らませてソウルに降り立った。
たった一ヶ月のオーディション留学は、長い人生においては瞬きのような時間だが、私にとっては濃密で眩しい、かけがえのない経験となった。
この短期留学の核心は、「圧倒的な熱量」と「厳しい現実」の両方を同時に体感することにあった。
語学留学とは異なり、ここでは朝から晩までがオーディション本番への一直線だ。
ボイストレーニングでは発声の基礎を徹底的に磨き、ダンスレッスンでは鏡張りのスタジオで自分と徹底的に向き合う。
わずか数時間で振りを覚え、完璧に魅せることを要求される環境は、当初は想像以上に過酷だった。
自分の未熟さが露わになり、悔しさで涙がにじむ夜も幾度かあった。
しかし、そんな自分を奮い立たせてくれたのは、同じ夢を追う仲間の存在だった。
韓国人はもちろん、中国人、日本人など、多様なバックグラウンドを持つ練習生志願者たちと共に汗を流す中で、競争相手である前に「同志」であるという連帯感が生まれた。
休憩時間に互いの国の言葉を教え合い、練習後にみんなで行く韓国料理屋さんの料理は何よりも美味しく感じられた。
この国際的な環境は、狭い視野でいた自分に、夢追う者としての広い世界を見せてくれた。
たった一ヶ月ではあったが、この経験から得たものは計り知れない。
まず、プロの世界の厳しさを肌で感じ、甘い夢物語では通用しないことを学んだ。
同時に、限られた時間の中で最大の結果を出すための集中力と効率性の重要性を体得した。
何より、自分がどれだけこの道を志したいのか、その覚悟を試される貴重な機会となった。

この留学は夢の実現への通過点でしかない。
しかし、ソウルで過ごした三十日間は、夢への情熱をより確かなものにし、自分自身の強さと弱さを冷静に見つめ直す機会を与えてくれた。
この地で感じた熱量を忘れず、さらなる高みを目指して努力を続けていきたい。
憧れのチャウヌさんと同じ舞台を踏み入れ、誰でも知っているアイドルになるのが僕の夢だ。